ミネルバボックスの腕時計ベルト – 作り方
イタリアンレザーのミネルバボックスを使用した腕時計ベルトの作り方です。
海外のネットショップでミネルバボックスという革を探して取り寄せ、作ってみたものです。
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レザークラフト工具・糸・尾錠金具
レザークラフト工具はamazonで購入したものを使いました。
- 菱ギリ
- 菱目打ち 3.8mmピッチ
- 別たち
- ロータリーレザーパンチ
- 水性ボンド(サイビノール、木工ボンドなど)
- ビニモ MBT8番
- 尾錠金具
糸のビニモMBTは大戸糸店で購入。
尾錠金具は近くの手芸店で見つけた300円くらいのもので、
腕時計ベルト用の尾錠金具ではないのですが、
アンティーク感が良かったので使いました。
皮革素材 – ミネルバボックス
使用した皮革素材はミネルバボックス。
イタリアのタンナー「バダラッシカルロ社(Badalassi Carlo Tannery)」というタンナーの革素材。
日本の最高級メンズ革製品ブランドGANZOでよく使われているのを見ます。
手間のかかる「バケッタ製法」、「牛脚脂」を時間をかけてしみこませていく、というフレーズをよくネットの紹介文で見かける革です。
ミネルバボックスを取り扱っているお店が日本ではサライ商事さんしかないようなので、
海外のネットショップ「Rocky Mountain Leather Supply」でネット注文しました。
関税が20-30%かかり、届くまでに1ヶ月ほど待ちました。
ミネルバボックス・ナチュラル色1.2mm厚。
また、写真にはないのですが、芯材に約1.0mm厚の「床革」を使用しています。
作り方- 腕時計ベルト
腕時計ベルトの2つのパーツ、
写真左)尾錠金具のつく「短い革パーツ」、
写真中央)穴の開く「長い革パーツ」、
と呼ぶことにします。
1-長い革パーツ – 接着
まず「長い革パーツ」を作ります。
革を、仕上がりより少し大きめに裁断し、
芯材を、仕上がりサイズより2mmほど狭く裁断して、
革で2つ折りにして挟み、
ヘラで圧着します。
写真左下)腕時計ネジ
ネジが入る部分は接着されないよう、
手縫い針や太い針金などを挟みながら、
革を接着して、乾くのを待ちます。
短い革パーツ – 接着
「短い革パーツ」を作ります。
接着で重なる部分を薄く漉いて、
尾錠金具をはめて、
芯材に水性ボンドを塗り、
(尾錠金具をはめるために2mm程度の穴を事前にあけています)
革で挟んで、
三つ折りにしながら接着します。
芯材をヘラで圧着し浮き出さて、乾くのを待ちます。
2 – 長い革パーツ 縫い合わせ
3.8mmピッチの菱目打ちで縫い目のマークをつけて、
菱ギリで縫い穴を開けていきます。
穴を開け終わり、
レーシングポニーに挟んで縫い合わせていきます。
糸が戻らないようにロウを引きながら縫っていきます。
縫い終わりを、ベルトの裏側で熱処理します。
短い革パーツも同様に縫い合わせておきます。
3 – 長い革パーツ – 形を整える・切り落とし
仕上がり幅に合わせて切り整えます。
(写真の腕時計ベルトは26mm幅です)
何回か軽くなぞりながら、切り落とします。
カーブは数回にわけて、切り落とします。
フチ(コバ)を磨くためにヘリを落とします。
トコノールを塗りながらスリッカーでコバを磨きます。
短い革パーツも同様に切り整え、コバを磨いておきます。
4 – ベルトループを作る
「短い革パーツ」の一部、ベルトループ(小さい輪っか)を作ります。
0.4mmくらいに薄くしたミネルバボックスに水性ボンド(木工ボンド)を塗り、
長辺を三つ折りにして、
接着します。
2つのベルト革パーツを重ねて長さを図り、
重ねて接着する部分を薄く漉きます。
ボンドを塗り、
重ねたベルト革パーツに巻きつけながら、
接着して、ベルト革パーツから外して乾くのを待ちます。
ベルトループを「短い革パーツ」にはめ込みます。
「短い革パーツ」の完成です。
5-ベルトに穴を開ける
「長い革パーツ」に穴を開けます。
以前使っていた腕時計ベルトを重ねて目印にしています。
印に沿ってロータリーレザーパンチで穴を開けます。
軽く印をつけた後に、
パンチを使って穴を貫通させて、
「長い革パーツ」の完成です。
完成 – 腕時計ベルト
ネジを使って2つの革パーツを腕時計に取り付けて、
腕時計ベルト完成です。
経年変化 – ミネルバボックス
バダラッシカルロ社(Badalassi Carlo Tannery)のミネルバボックス、
1年ほど使用して、この写真のように革の表情が変化しました。
革製品には少しずつ革が経年変化するのを毎日見る楽しみもありました。
YouTube – 【レザークラフト】腕時計 ベルト 自作 作り方 / making watch strap tutorial【leathercraft/diy】
腕時計 – Garmin fenix3j
時計はgarminのfēnix 3J Sapphireという腕時計。
ベルトの幅は26mm。
2016年当時4万円くらいで購入して、まだスマートウォッチがあまり普及していない頃でしたが、ブルートゥース接続でiPhoneに通知機能(メッセージ・LINE)や睡眠計測、スポーツ活動量計などがあり非常に多機能な腕時計でした。
2年使用して付属のシリコンバンドが切れてしまい、汎用品のバンドもすぐダメになってしまったので革でベルトを作ることにしました。
2021年現在、fenix6というソーラー充電の最新式が発売されています。
Spotify®やAmazon Musicなどの音楽配信アプリにアクセスして音楽を聴いたり、水分摂取量を記録、ワークアウト動画を腕時計の画面に表示、登山機能など、本当に多機能な腕時計です。
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