ストックレザー
若い雄牛革(トリヨンレザー) – クロム鞣し革
生後12ヶ月の若い雄牛の革「トリヨンレザー」。
主にフランスで生産されており、原皮サイズは大きく(畳2枚分くらい)、
革の厚みがありモチっとして柔らかく肌触りのよい革です。
2つのトリヨンレザーを掲載していますが、どちらも「シュリンクレザー」です。
シュリンクレザーとは革を収縮させてシワをつけた革のことで、シュリンク加工はお風呂に長く入って指の皮が縮むことに似ています。
革の名称 | シュリンクの種類 | 特徴 |
ラグーン | 本シュリンク | 繊維が密・弾力・モチっとした肌触り・傷が目立ちにくい |
ストラディバリウス | 型押しシュリンク | ハリ・コシ・型崩れしにくい・均一の革目 |
「本シュリンク」とは薬液で革を収縮させることです。
皮を収縮させるので繊維が密になり、弾力が生まれもちっとした肌触りを感じることができ、傷が目立ちにくく摩擦に強くなります。
「型押しシュリンク」とは、機械で圧をかけてシワの型を押し付けることです。
強い圧をかけるので、ハリ・コシが生まれ型崩れしにくい革素材になり、どの部分も均一な大きさの綺麗なシボ(革目)になります。
トリヨンラグーン Taurillon Lagun
フランスのRemy Carriat社(Tannery Remy Carriat)で作られる「トリヨンラグーン Taurillon Lagun」。
若い雄牛の革で厚みがあり、本シュリンク(薬液で皮を収縮させる)による深い天然のシボ(革目)、傷汚れが目立ちにくく、丈夫な革製品に仕上げることができます。
とても柔らかく、さらっとしてモチっとした肌触り。
場所によっては天然のシワ・血筋が見られます。
セミアニリン仕上げ、芯通し染め(dip dye)、2.2/2.4 mm
エルメスの革小物、財布、バッグなどで採用されており、トリヨンクレマンス (Taurillon Clemence)とも呼ばれる革です。
- Noir ブラック(小サイズのみ)
- Craie クレ
- Blue pale ブルーペール(小サイズのみ)
- Tourterelle トルティエール
- Etoupe grey エトゥープ グレー
- Gold ブラウン
- Rose texas ローズテキサス 2020AW
- Rouge De Coeur ルージュクー2019SS
- Blue hydra ブルーイドラ(小サイズのみ)
ストラディバリウス
フランスの ROUX社(TANNERIES ROUX)で作られる、「ストラディバリウス Stradivarius」という革。
若い雄牛の革で厚みがあり、型押しシュリンク加工による統一感のあるシボと、適度なコシがあるので型崩れしにくい革製品に仕上げることができます。
型押し加工のシボ(革目)なので、天然のシワ・血筋は見られません。
ルイヴィトンのお財布 ポルトフォイ ユカプシーヌに採用されているトリヨンレザー。
- Galet ガレ
仔牛革(カーフレザー)- クロム鞣し革
生後6ヶ月以内の仔牛の革「カーフレザー」。
原皮は小さくて薄いです。(畳一枚分くらい)
革の表面の美しさが最大の特徴で、繊細な肌目、傷やシワがほとんど見られません。
スイフトやタデラクトのような革の表面に加工を施さないフルグレインレザーでは、傷のない綺麗な原皮が厳選されています。
エプソン
フランスのHAAS社(Tanneries Haas) / ROUX社(TANNERIES ROUX)で作られ、各社では「DERBY」 /「 NATURE CALF」と呼ばれています。
細か目の革目(シボ)が型押しされており、傷・汚れが目立ちにくく、ハリ・コシがあり型崩れしにくいのが特徴です。
革製品の仕上がりはフォーマルな印象になります。
エルメスの革小物、財布、バッグ(バーキン・ケリー)などで採用されており、エルメス表記はヴォー エプソン(veau epsom)。
種類 | 雄の仔牛革 |
硬さ | 柔 ★★★☆☆ 硬 |
艶 | 弱 ★★★★☆ 強 |
革目の細かさ | 太 ★★★★☆ 細 |
厚さ | 1.4-1.6mm |
- Noir ブラック
- Blanc ホワイト
- Craie クレ
- Nata ナタ 2020SS
- Etain エタン(極小サイズのみ)
- Etoupe エトゥープ
- Gold ブラウン
- Sesame セサミ 2020SS(極小サイズのみ)
- Blue zelige ブルーゼリーシュ 2018AW
- Blue brighton ブルーブライトン 2018SS(極小サイズのみ)
- Blue encre ブルーアンクル 2018AW
- Blue nuit ブルーニュイ 2015AW(極小サイズのみ)
- Geranium ゼラニウム(極小サイズのみ)
- Rouge De Coeur ルージュ ド クー 2019SS
- Rouge casaque ルージュカザック(極小サイズのみ)
- Jaune ambre ジョーヌアンブル 2018SS
- Vert Verone ヴェールヴェローヌ 2019SS
- Vert Maquis ヴェールマキ 2020SS(小サイズのみ)
- Vert cypres ヴェールシプレス 2018AW
スイフト
製造はイタリアのRMG POMARI社(Rino Mastrotto Group Spa)。
とても柔らかく、さらっとしていて手に吸い付くような肌触り、肌目が非常にきめ細かく、発色が良いため同じ色名でも他の素材より明るめの印象になります。
革製品の仕上がりは柔らかめでフワッとした感じに仕上げることができます。
エルメスの革小物、財布、バッグなどで採用されており、エルメス表記はヴォースイフト (veau swift)。
- Noir ブラック(小サイズのみ)
- Gold ブラウン
- Etoupe エトゥープ
- Étain エタン
- Cafe カフェ
- Nata ナタ 2020SS (製造ロットにより色ブレあり)
- Craie クレ (製造ロットにより色ブレあり)
- Pearl grey パールグレー
- Blue brume ブルーブリュム
- Blue lin ブルーリン
- Blue du nord ブルードゥノード 2019SS
- Blue Frida ブルーフリーダ 2020AW
- Vert bosphore ヴェールボスフォール 2019AW
- Feu フー
- Capucine カプシーヌ
- Rouge coeur ルージュクー 2019SS
- Rose Texas ローズテキサス
- Rose Azalee ローズアザレ
- Rose sakura ローズサクラ 2015 2021復刻
- Rose D’ete ローズエテ 2018AW
タデラクト
製造はフランスのHAAS社(Tanneries Haas)。
少しコシがあって型崩れしにくく、ボックスカーフのような強い光沢が特徴です。
革製品を上品でエレガントな仕上がりにすることができます。
エルメスの財布、バッグなどで採用されており、エルメス表記はヴォータデラクト(veau tadelakt)。
- Etoupe grey エトープ(光沢)
- Royal Blue ロイヤルブルー(光沢)
- Rouge H ルージュアッシュ(マット)
- Rose lipstic ローズリップスティック(光沢)
トゴ
製造はフランスのDu Puy社(Les Tanneries du Puy)。
細かなシボとほどよいマットな質感が特徴で、さらっとした肌触りで、傷や擦れに強いです。
部位によってシボの大きさが異なり、作品一つ一つで革の表情が異なります。
また天然のシワ・血筋が見られることがあります。
カーフ 本シュリンク 2.4mm
エルメスの革小物、財布、バッグなどで採用されており、エルメス表記はヴォー クリスペ トゴ (Veau Crispe Togo)。
- Gold ブラウン(極小サイズのみ)
- Chocolat ショコラ(極小サイズのみ)
- Vert cypres ヴェールシプレス 2019AW(小サイズのみ)
ネゴンダ
製造はフランスのDu Puy社(Les Tanneries du Puy)。ネゴンダまたはクリスパニール Crispanilと呼ばれています。
細かなシボとほどよいマットな質感が特徴で、さらっとした肌触り、部位によってシボの大きさが異なり、作品一つ一つで革の表情が異なります。
また部位によって天然のシワ・血筋が見られることが多くあります。
エルメスのバッグ(ガーデンパーティ)で採用されており、エルメス表記はヴォー ネゴンダ (Veau Negonda)。
- Grey グレー
- Gold ブラウン
仔牛革(カーフレザー) – コンビ鞣し革
クロム鞣しとタンニン鞣しの両工程で作られている革です。
タンニン鞣し革と比べてゆっくりと経年変化し、クロム鞣し革のように柔らかく、水や傷への耐久性も併せ持った
ユタカーフ Utah Calf
フランスにあるHAAS社(Tanneries Haas) が作る「ユタカーフ Utah Calf」。
幻のロシアンカーフをイメージさせる格子状のエンボス型押しレザーです。
英国紳士靴Edward GreenのDOVER・GALWAYなどで採用されていますが、革小物やバッグにも使うことができます。
タンニン寄りのコンビ鞣し、オイルを多く含んで水に強い。1.3~1.5 mm
- Noir ブラック
- Ebene エベーヌ ダークブラウン
ノヴォナッパ
フランスのHAAS社(Tanneries Haas) で作られる「ノヴォナッパ NOVONAPPA®」。
革内部にオイルを含んでいるヌメ革のようなコンビ鞣しのレザーです。
タンニン鞣し革よりゆっくりツヤが増す経年変化があり、クロム鞣し革のようなふわっとした感触です。
エルメスではヴォーバレニアと呼ばれています。
- Noir ブラック
- Gold ブラウン
成牛革(ショルダー) – タンニン鞣し革
流通している革の1割以下が「タンニン鞣し革」です。
大量生産が難しく、水・傷に弱い、丈夫、硬い。
天然の植物タンニン、植物から抽出した渋で皮を腐らないように加工された革で、人と環境に優しいエコな皮革素材と言えます。
クロム鞣し革にはないですが、タンニン鞣し革には「経年変化」というものがあります。
使っていくうちに、日に焼け、摩擦で擦れ、油分が吸収され、革の表面の色が変化していくことです。
これはタンニン鞣しを施した革でしか味わうことのできない独特のもので、革の「エイジング」とも言えます。
使っていくうちについてしまった傷や、色あせていく革の表情を見ていると、その革にとても愛着が湧いていきます。
また、タンニン鞣し革は使い込んでいくと「艶」が増していくものが多いです。
これより以下は、そのタンニン鞣し革にあたるものです。
ブッテーロ
イタリアのポンテ・ア・エゴラにある小さなタンナーConceria Walpier Srl社の作る「ブッテーロ Buttero」。
フランス原皮の肩部分に植物性のオイルを染み込ませたオイルレザーです。
ブッテーロは牛革(ショルダーレザー)の中でも特に繊維が密でコシがあり、カッチリとして丈夫な革製品に仕上げることができます。
また繊維が密なおかげでコバ(エッジ)が非常に綺麗に仕上がります。
使い込んでいくうちに透明感のある革の表情は艶が深く増していき、非常に味わい深いレザーです。
ショルダー/フルグレイン/スムース/フルアニリン-芯通し染め/2.0-2.6mm/
- Natural ナチュラル
ミネルバボックス
イタリアのBadalassi Carlo社が製造する「ミネルバボックス Minerva Box」。
日本のメンズ革製品トップブランド「GANZO」で採用されているレザーです。
ショルダーレザーの中では柔らかい素材で、自然なシボ(革目)と革肌を楽しむことができます。
ショルダー/フルグレイン/天然シボ/フルアニリン-芯通し染め/1.8mm/
- Natural ナチュラル
プエブロ
イタリアのBadalassi Carlo社が製造する「プエブロ Pueblo」。
アンティーク調の革肌が特徴的な革です。
牛の脚油を時間をかけて染み込ませているおかげでオイルが抜けにくく、使い込んでいくうちに革に浸透したオイルによりツヤが増していく「経年変化」を楽しむことができます。
ショルダー/フルグレイン/スムース/芯通し染め/2.0mm/
- Ortensia オルテンシア
- Grey グリージオ
- Bordeaux ボルドー(極小サイズのみ)
アリゾナ
イタリアのCONCERIA LA BRETAGNA社が製造する「アリゾナ Arizona」。
ミネルバボックスによく似ているのですが、アリゾナのほうが少しツヤが強い印象の革です。
- Black ブラック
- Turquoise ターコイズ
- Orange オレンジ
ルガト
ベルギーのMasure社が作る「ルガト Rugato」。
ショルダーによく見られるトラ目が非常に美しい革です。
革の表面に薄いウレタンのような膜が張られているおかげで、植物タンニン鞣し革とは思えないほどの美しいツヤがあります。
内側に曲げるとツヤの膜がシワになってしまうのと、比較的硬い革なので外装向きのレザーです。
- Red レッド
- Navy ネイビー
- Orange オレンジ(極小サイズのみ)
- Black ブラック(小サイズのみ)
山羊革 – シェーブル/ゴート
フランスでは山羊肉を食べる習慣があることから山羊革が生産されています。
山羊は牛と比べると体が小さいため、原皮サイズも小さく厚みも薄くなりますが、繊維が非常に細かく詰まっており肌触りが良いことと、伸びにくい、摩擦にも強いというメリットのある革です。
英語ではゴートレザー、フランス語ではシェーブルと呼ばれています。
フランスっぽいカラーが魅力的で、このページで紹介できていない色が沢山ありカラーバリエーションが豊富です。
シュリー | ミゾール | ブルタイユ | |
革目 | 太 ★★★★★ 細 | 太 ★★★★☆ 細 | 太 ★★★☆☆ 細 |
艶 | 弱 ★★★★☆ 強 | 弱 ★★★★☆ 強 | 弱 ★★★★★ 強 |
硬さ | 柔 ★★★★☆ 硬 | 柔 ★★★☆☆ 硬 | 柔 ★★☆☆☆ 硬 |
厚さ | 約1.4mm | 約1.5mm | 約1.8mm |
サイズ | 小 | 中 | 大 |
山羊革のシボ(革目)について、「シュリー」が一番細かくて、「ミゾール」→「ブルタイユ」の順で大きくなります。
原皮サイズは「ブルタイユ」が一番大きくて、小さいバッグが作れるくらいのサイズ(畳1/3くらい)があります。
シュリー SULLY
フランスのタルン南部、山脈に囲まれたALRAN社(Alran S.A.S. FRANCE)のシェーブル、「シュリー Sully」という名前がついている革です。
日本にないフランス独特の魅力的なカラー、バリエーションが豊富で何度見ても飽きない色。
職人によって丹念に手もみでつけられた繊細なシボ(皮目)がとにかく上品で、革質の良さが一目でわかります。
原皮が小さいので、小さい革小物(キーホルダーからブックカバー、長財布くらいまで)を作るのに適していて、お財布の内装に使用すると凄く贅沢な仕様になります。
ほとんどの色がツヤありの革ですが、「Rose poudre, Perse, Flave, Dahlia」はツヤなしのマットな革です。
- Noir ブラック
- Blanc ホワイト
- Light cream ライトクリーム
- Tourterelle トルティエール
- Etoupe エトゥープ
- Rose poudre*matte ローズプードル *マット
- Barba papa バーバパパ
- Fuchsia フューシャ
- Blue vista ブルービスタ
- Gitane ジタン
- Colibri コリブリ
- Perse*matte パース *マット
- Flave*matte フレイヴ *マット
- Dahlia*matte ダリア *マット
- Orange オレンジ
ミゾール Mysore
製造はフランスのシャブリに所在するMegisserie Jullien社(Mégisserie Jullien/Groupe Hcp)。
Sullyより艶・光沢が強いことと、厚みがあるおかげでシボ(革目)に深みがあり、仕上がる作品の高級感が増します。
エルメスの革小物で採用されており、シェーブルミゾール(Chevre Mysore)と表記。
- Noir ブラック
- Apricot アプリコット 2018AW
- Orange poppy オレンジポピー
ブルタイユ Breteuil
こちらの山羊革もフランスのMegisserie Jullien社(Mégisserie Jullien/Groupe Hcp)の製造するシェーブルです。
このページに掲載している3つの山羊革の中で、一番サイズが大きいです。
シボ(革目)も一番深くて大きめで、また艶・光沢も一番強いです。
厚みもあり、柔らかいので、ゆったりとして柔らかい印象の革小物や小さめのバッグを作るのに適しています。
- Brume ブリューム
- Prune プルーン
- Topaze トパーズ
- Soleil ソレイユ
羊革 – ラムスキン
プロンジェ PLONGÉ
2016年にシャネルグループになったフランスでトップのラムスキン専門タンナーMegisserie Richard社が生産するラムスキンです。
「アヴェロン」(南フランス)、エントレフィノス(スペイン)など、厳選された場所で生産された高品質のラムスキンを使用して、皮革と手袋の名産地 Millau(ミヨー)で伝統的技法と最新技術を織り合わせて高級なラム皮革を生産しています。
ラムスキンとは、生後1年未満の羊の革のことで、一年以上の羊の革はシープスキンに分類されます。
毛穴が小さくキメが細かいため、非常に柔らかく、肌に吸い付くような滑らかな肌触りが特徴で、この希少性と質感から、ラムスキンは数ある革素材の中でも非常に高級なものとされているのです。
full aniline lambskins
0.9-1.0mm
- Lilas リラ(紫丁香花 ムラサキハシドイ色)
- Noisette ノワゼット(ヘーゼルナッツ色)
馬革 – コードバン
こちらのページに掲載している革の中で最も希少で高価な皮革です。
馬のお尻の部分の革ということで知られていますが、実は牛革などと違い、原皮の裏側が革の表になります。
シェルコードバン
アメリカにあるHorween社の「シェルコードバン Shell cordovan」。
- バーガンディ
- ナチュラル(グレージングなしマット)
アニリン染コードバン
非常に硬くて丈夫ですが、その硬さゆえに作れる革製品の構造が限られることと、作り手の高い技術が必要な皮革です。
また、水濡れに弱く、傷もつきやすいので扱いにも知識が必要になります。
奥行きのある透明感、ツヤは一度実物を見たらこの革の虜になることでしょう。
兵庫県の新喜皮革で鞣され、千葉県のLEDER OGAWAで染められています。
新喜皮革の作るコードバンは海外でも知名度が高いです。
- ワイン
内装・裏地用 – 生地
バッグの内装生地・ポケットの裏地などに使用している生地です。
ultrasuede
東レの開発した高機能人工スエード
やわらかく滑らかな触り心地、糸の解れ・毛羽立ちが少なく耐久性が高い、メンテナンスもほとんど必要ない素材です。
最後に- 革のこと
「動物の皮」を腐らないようにすることを「鞣す」と言い、
クロムで鞣された革、タンニンで鞣された革、その両方で鞣された革の3種類があります。
クロム鞣し革 | 塩基性硫酸クロム(化合物)で作られた革 (mineral-tanned leather) |
タンニン鞣し革 | 植物タンニン(自然物)で作られた革 (Vegetable-tanned leather) |
コンビ鞣し革 | 上記二つの両工程で作られた革 (double-tanned leather) |
革の種類 | 経年変化 | 傷 | 水 |
クロム鞣し革 | しない | 付きにくい | はじく |
タンニン鞣し革 | する | 付きやすい | シミになる |
コンビ鞣し革 | ゆっくりする | 中 | 中 |
クロム鞣し革」は生産コストがかからず大量生産が可能で、水・傷に強い、丈夫、やわらかい革です。
「タンニン鞣し革」は生産に手間とコストがかかるため流通の1割しかありません。古い歴史があり素朴な革が多く、ヌメ革もこのタンニン鞣し革です。
「経年変化」とは使い込んでいくうちに革の風合いが変化することです。日に焼けて色が濃くなったり、革に染み込んでいるオイルが浮き出てツヤが増したり、タンニン鞣し革でしか味わうことができません。
「コンビ鞣し革」はクロム鞣しとタンニン鞣しの両工程で生産されており、二つの特徴を合わせ持った革です。
このページに掲載している動物(部位)は下記の通りです。
- 成牛の肩部(生後2年〜)
- 若い雄牛(生後12ヶ月)
- 仔牛(生後6ヶ月以内)
- 山羊
- 羊
- 馬の臀部
動物(部位) | 名称 | 特徴・メリット |
成牛の肩部分 | ショルダー | 硬い・丈夫 |
若い雄牛 | トリヨン | モチっと柔らかい・肌触りが良い |
仔牛 | ヴォー / カーフレザー | 革の表情/肌目が繊細で美しい |
山羊 | シェーブル / ゴートレザー | シボ (革目)が繊細・摩擦に強い |
羊 | ラムスキン | とても柔らかい・肌触りが良い |
馬の臀部 | コードバン | とても硬い・光沢が美しい |
流通している革の9割が「クロム鞣し革」と言われています。
大量生産が可能で、水・傷に強い、丈夫、やわらかいです。
一方で、クロム鞣し革は、生産する時に排出される汚水処理が十分にされない 、生産工場で働く人々の健康被害(皮膚)などの課題があるようです。
使用されるクロムは「三価クロム(無害)」のようですが、熱を加えることで有毒性の高い「六価クロム(有害)」に変わりうるようで、人に優しく環境に良い皮革素材とは言い難いです。